養蜂の理想と現実〜綺麗事だけでは済まされません〜

先日、ある養蜂家さんとお話しました。

内容は主に、今後の養蜂業のあり方についてです。

その方のご実家は、昭和初期から地元で養蜂業を営んでいらっしゃっており、西洋ミツバチを用いた移動養蜂がメインです。

全国の農家さんに、花粉交配用としてミツバチを貸し出すビジネス(ポリネーション事業)を行っています。

以前の記事でも書いたのですが、ポリネーションに用いたミツバチは、役目を終えると死んでしまう事が殆どです。

よって用済みのミツバチは焼却処分されてしまうのです。

彼は、ナチュラリスト的な考え方を持っているため、この「用済み後処分」ということにとても抵抗感があったそうてす。

「ミツバチをモノのように扱うことに抵抗がある」とのことです。

それが原因で、社長(彼の父)と運営方針で揉めてしまい、会社を飛び出して、自身で新たに養蜂事業を行っています。

彼が行っている新養蜂事業は、ポリネーションを一切行わずハチミツの販売がメインのようです。

まあ、、、売れてませんね。

世間の皆様方に殆ど認知されていないと思うのですが、世界的に見ても養蜂業の主力商品は間違いなく、

 花粉交配(ポリネーション)事業

です。

ある記録によると、

 【養蜂業者の全売上に占めるハチミツなどの割合はわずか2〜5%程度で、残りの95%以上をポリネーションによる収入が占めているのです。

参考:

京都産業大学のウェブサイト、 京都産業大学のウェブサイト。】

とのことです。

よほどハチミツ好きな人でもない限り、世間にとってハチミツは、数多くある

     甘味料の一つ

に過ぎないのではないでしょうか。

更に、西洋ミツバチのハチミツは世界中にありふれており、とくに真新しさもありません。

よって、僕が彼の立場なら、間違いなくポリネーション事業を継続しています。

まずは儲からないと、好きなこともできません。

うちは、日本ミツバチという希少性の高いハチミツなので、幸いにも特定のお客様がいますが、ハチミツ販売だけで終わらせる気はありません。

加工品も扱いたいし、場所の確保ができれば西洋ミツバチでポリネーションもやってみたいです。(日本ミツバチではしません)

理想を叶えるには、現実を直視する必要があります。

好きなことの追求は、ある程度経済的な成功を収めてからでも遅くないと思います。

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