プロポリスとは?日本ミツバチとプロポリスの関係について①
〇プロポリスとは何なのでしょうか?
プロポリスは、ミツバチが植物の新芽や樹脂と唾液を混ぜ合わせて作る、粘着性のある物質です。
巣の隙間を埋めたり、外敵の侵入を防いだり、巣内を清潔に保つために利用される言うなれば
巣の補強材
みたいなものです。
〇プロポリスの主な薬効
プロポリスの主な薬効は次の通りです。
1 抗菌・抗ウイルス作用:
プロポリスには、フラボノイドやフェノール酸などの成分が含まれており、細菌やウイ ルスの増殖を抑える効果が研究で示唆されています。
特にグラム陽性菌に対して抗菌活性が高いことが確認されています。
またヘルペスウイルスやインフルエンザウイルス、コロナウイルスなど、様々なウイルスに対する抗ウイルス作用も報告されています。
2 抗炎症作用:
プロポリスに含まれる成分が、炎症を引き起こす物質の生成を抑制する働きがあると考えられています。
歯周病や口腔内の炎症、皮膚の炎症などに対する効果が期待されており、糖尿病患者の炎症状態の改善や、生活習慣病に伴う炎症の抑制にも役立つ可能性が示唆されています。
3 抗酸化作用、アンチエイジング
プロポリスには、ポリフェノールなどの抗酸化物質が豊富に含まれています。
これらの成分は、活性酸素を除去し、細胞の酸化を防ぐことで、様々な疾患の予防やアンチエイジングに役立つと考えられています。
4 免疫調整作用:
プロポリスは、免疫細胞の活性を調整する働きがあると考えられています。
免疫力を高めることで、感染症の予防や症状の緩和に役立つ可能性があります。
また、アレルギー反応を抑制する効果も示唆されています。
5 その他:
創傷治癒促進: 皮膚の再生を促し、傷の治りを早くする効果が期待されています。
抗腫瘍効果: 一部の研究では、がん細胞の増殖を抑制する可能性が示唆されていますが、さらなる研究が必要です。
血糖値降下作用: 糖尿病患者において、血糖値のコントロールを改善する可能性が示唆されています。
ただし、プロポリスの効果には個人差があり、また、すべての人に同様の効果が得られるとは限りません。アレルギー体質の方や、特定の薬剤を服用している方は、使用前に医師や専門家に相談することをおすすめします。
〇プロポリスはどのようにして採取するのでしょうか?
・西洋ミツバチとプロポリス
プロポリスを採取することで知られているのは、主に西洋ミツバチです。
西洋ミツバチは、世界中で広く飼育されており、プロポリスの生産量も比較的多いとされています。
彼らは、様々な樹木から樹脂を集め、特有のプロポリスを作り出します。
西洋ミツバチのプロポリスは、産地や蜜源植物によって成分が異なり、多様な薬理効果が期待されています。
・日本ミツバチとプロポリス
一方、日本ミツバチは、プロポリスをほとんど、あるいは全く生産しないことが知られています。
日本ミツバチは、在来種であり、西洋ミツバチとは異なる生態を持っています。
テレビなどでよく、ハチの巣を遠心分離器にかけて採蜜している光景を目にしたことがないでしょうか?
これは、西洋ミツバチ養蜂における採蜜でよくみられるのですが、日本ミツバチでは遠心分離機を使用しません。
日本ミツバチの巣はプロポリスで補強されていないため、とても脆く遠心分離器に耐えることはまず無理なのです。
そのため、日本ミツバチの蜂蜜は採取できますが、プロポリスを目的とした飼育は一般的ではありません。
プロポリスの成分と効果
プロポリスの主な成分は、樹脂、ワックス、精油、花粉などです。特に、フラボノイドやフェノール酸などのポリフェノール類が豊富に含まれており、これらの成分が抗菌、抗炎症、抗酸化作用などの薬理効果を示すと考えられています。
西洋ミツバチのプロポリスは、産地や起源植物によって成分組成が大きく異なり、その効果も多様です。
例えば、ブラジル産のプロポリスには、特有のアルテピリンCという成分が含まれており、抗腫瘍効果などが研究されています。
まとめ
プロポリスは、主に西洋ミツバチによって生産される貴重な天然物質です。
抗菌、抗炎症作用など様々な効果が期待され、健康食品として利用されています。
一方、日本ミツバチはプロポリスをほとんど生産しないため、プロポリスの採取を目的とした飼育は行われていません。
西洋ミツバチのプロポリスは、産地や起源植物によって成分や効果が異なるため、その多様性についても研究が進められています。